写真はカメラの中に置き忘れていた、この夏最後のピーマン。
花火の夜。 息子と会話する生き生きとしたお母さんが胸に沁みる。
「お前はここの二階で生まれたんだよ お前がその花火と一緒に生まれたの 世界中から祝福されてる 母さんその時そう思ったのよ」
「頼むよ 母さん」
映画はいいな。 わが町には映画館と名の付くものがない。 だからよその町まで出かけていく。
もう少しだけ遠くまで歩いてみたい。
目眩して今がおわりか絶頂か
ここいらでごはん煮詰まれば夕日
骨抜きの魚はとても不愉快
金魚が金魚いじめて暮れなさい
七月のおしまい。
にぎやかな庭。
半身は明日になっている深夜
たましいを抜く人が来て火を点す
青を垂らすとどうなるか誰も知らない
うつくしい人うつくしく水を飲む
葉の半分までが白くなるには、それなりの理由があるらしいけれど、 その不思議さをそのまま眺めるのも楽しい。
半夏生の白はぬけるような白。 近くのお寺まで行くとあえる。
カタバミっていうんだね。
水のあお血管のあおネイルのあお
やってきた沼の匂いをつけたまま
階段がふいにとぎれて 六月の
披瀝する初夏の竹藪竹ばかり
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